石見神楽なにわ館

STORY大阪社中の誕生秘話

発端

島根県西部、石見地方に古くから伝承される芸能「石見神楽」。

大阪を拠点とする私が、たまたまその演技を目にする機会に恵まれた時、
私はその迫力と壮大さ、そして何より日本らしさにすっかり魅了されていました。

一般社団法人 大阪社中
代表理事 佐々木 英樹

神楽という名称は知っていたものの、具体的にどのような物なのかまで知らなかった私は衝撃を受け、あくまで個人的な主観ですが、「なぜこれほどの芸能に今まで触れる機会も無かったのか」そして、「いったい普段はどこで公演されているものなのか」 と、興味と同時にその内容の素晴らしさに感動すら覚えました。もちろん、地方で育まれた伝統ある芸能だからこそ、地元の有志の方々でしっかりと受け継いでこられた背景は重々承知ですが、これだけの芸能はもっと広く知ってもらうべきであり、国内に留まらず、海外の方々にも発信していくべきだと考えたのです。大阪なら、国内に向けても海外に向けてもこの素晴らしい文化が発信できる。そして、しいては文化保存の観点からも次世代に繋がる大阪社中でありたい。

いくつもの壁を超えて

定期的に公演する施設には、定期的に演技をする演者が必要です。

しかもその演目は伝統芸能石見神楽ですので、まずはどこに話しをすれば良いのか、人からはじまり、物、そして建物と、文化を実現するには縁も知識もありませんでした。ただ、付き合いのある企業様が本社を島根に置かれていて協力を頂いたのです。偶然か必然か、その時から石見神楽の大阪公演施設は実現に向けて本格的に動き始めましたが、勿論、事は単純ではありませんでした。

何より大前提としてどの社中(石見神楽を演技する団体)の方々も普段はお仕事をされており、島根から毎日大阪で出演する事は不可能だという事。 本場の方々に演じて頂いてこその公演施設と考えていた私は、もはや大阪で定期的に、そして願わくば毎日公演をする事は断念せざるをえないかと思われました。しかし、社中の方々からは実現は出来なくとも可能性を模索頂き、ある一人の方をご紹介頂いたのです。 その方は、古くに大阪で社中を発足させ、今は地元島根で石見神楽の後世への発展に尽力されている方でした。その方と想いをぶつけ合い、そして全面的な協力を約束頂いた事、加えて、この想いに島根県の行政や団体の方々をはじめとした関係各社から心強いバックアップがあった事。一般社団法人大阪社中は大きな一歩を踏み出しました。

次世代の育成 そして世界へ

伝統的で素晴らしい芸能をもっと気軽に、そして色々な方に触れてほしい。
その想いはずっと変わる事はありません。

そして、大阪と言う場所は世界的な今後の展望からもそれが大きく叶うと信じています。
施設の健全な運営はもちろんの事、伝統芸能の担い手の育成機関として「なにわ塾」の併設。
国内外に留まらず、一人でも多くの方とこの芸能を共有し、そして、文化保存の観点からもこの施設がお役に立てる事、
そしてこれからもずっとその使命を担っていける事を、願ってやみません。

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